Cloudflareでブログや小さなサイトを作ろうとすると、最初に用語で止まりやすいです。
この記事は、AI時代のブログ戦略として、Cloudflareを単なるインフラ名ではなく、AIコーディングツールと一緒にブログを作り、直し、運用していくための部品として整理する記事です。
Pages、Workers、D1、R2、KV、Wrangler、binding。
名前だけ見ると、どれがサーバーで、どれがデータベースで、どれが画像置き場なのか分かりにくいです。
でも、ブログ目線で見るとかなりシンプルです。
- Pagesは、静的サイトやフロントを公開する場所
- Workersは、サーバー側の処理を動かす場所
- D1は、記事や設定を入れるデータベース
- R2は、画像やファイルを置くストレージ
- KVは、小さな設定やキャッシュ向きの保存場所
- Wranglerは、CloudflareへデプロイするためのCLI
- bindingは、WorkersからD1やR2を使うための接続設定
この記事では、Cloudflareの細かい仕様を全部覚えるのではなく、「ブログを作るなら何が何を担当するのか」に絞って整理します。
CloudflareはDNSだけのサービスではない
Cloudflareというと、昔から使っている人ほどDNSやCDNの印象が強いかもしれません。
ドメインをCloudflareに向ける。SSLを設定する。CDNでサイトを速くする。
もちろん、それもCloudflareの大きな役割です。
ただ、今のCloudflareはそれだけではありません。Webアプリを動かす場所、データベース、画像やファイルの置き場、デプロイの仕組みまで持っています。
だから、個人ブログや小さなサイトなら、かなり多くのものをCloudflare側に寄せられます。
- DNS
- SSL
- CDN
- Pages
- Workers
- D1
- R2
- Web Analytics
管理するサービスが少ないほど、AIコーディングツールに相談する時も説明しやすくなります。
「記事はこのCMS、画像はこのストレージ、デプロイはここ、DNSはここ」と分かれているより、「Cloudflare中心で動かしている」と言える方が、最初の個人サイトでは扱いやすいです。
Pagesは「公開する場所」
Cloudflare Pagesは、静的サイトやフロントエンドを公開する場所です。
Astro、Vite、React、静的HTMLなどをビルドして、その成果物をCloudflareのネットワーク上に配信できます。
ブログ目線では、Pagesは「読者が見るページを置く場所」と考えると分かりやすいです。
たとえば、次のようなものです。
- トップページ
- 記事一覧ページ
- 記事ページ
- プロフィールページ
- 固定ページ
静的なブログなら、Pagesだけでも十分な場合があります。
Markdownで記事を書いて、ビルドして、Pagesに置く。これなら構成はかなりシンプルです。
ただし、管理画面から記事を追加したい、ログインが必要な画面を作りたい、DBから記事を読みたい、という話になると、PagesだけではなくWorkersやD1も関わってきます。
Workersは「動く処理を書く場所」
Cloudflare Workersは、サーバー側の処理を動かす場所です。
公式ドキュメントでは、Cloudflareのグローバルネットワーク上でアプリを構築、デプロイ、スケールするためのサーバーレス基盤として説明されています。
ブログ目線では、Workersは「裏側で処理する係」です。
たとえば、次のような処理です。
- 記事一覧をDBから取得する
- 記事ページのデータを返す
- 管理画面で記事を保存する
- ログイン状態を確認する
- 画像アップロードを受け付ける
- OGP画像やRSSを返す
WordPressで言えば、PHPが裏側でやっているような処理に近いです。
ただし、Workersは従来のレンタルサーバーとは考え方が違います。サーバーを1台借りて、その中で常にアプリを動かすというより、リクエストに応じてCloudflareのネットワーク上で処理が実行されるイメージです。
このおかげで、サーバー管理をかなり減らせます。
D1は「記事や設定を入れるデータベース」
D1はCloudflareのサーバーレスSQLデータベースです。
SQLiteの考え方に近いSQLを使い、WorkersやPagesからアクセスできます。
ブログ目線では、D1は「記事や設定を入れる場所」です。
たとえば、次のようなデータを入れます。
- 記事タイトル
- 本文
- スラッグ
- 公開状態
- 公開日
- タグ
- カテゴリ
- 管理画面の設定
WordPressで言えば、MySQLに近い役割です。
ただし、D1はCloudflareの仕組みに組み込まれているので、Workersからbindingを通してアクセスします。
bindingは、ざっくり言うと「このWorkerからこのD1データベースを使えるようにする接続設定」です。
コードの中で `env.DB` のように呼べるようにしておき、WorkerがD1にクエリを投げます。
ブログを作るだけなら、最初はこのくらいの理解で十分です。
R2は「画像やファイルを置く場所」
R2はCloudflareのオブジェクトストレージです。
ブログ目線では、画像やファイルを置く場所です。
たとえば、次のようなものを置きます。
- アイキャッチ画像
- 記事内画像
- ダウンロード用ファイル
- OGP画像
R2の特徴としてよく出てくるのが、エグレス帯域課金を抑えやすいことです。CloudflareのR2料金ページでも、インターネットへのエグレスは無料として整理されています。
もちろん、ストレージ容量や操作回数などの料金は見ます。完全に何でも無料という意味ではありません。
それでも、画像の多いブログやメディアでは、画像置き場の料金は気になりやすいので、R2をCloudflare側で使えるのは大きいです。
KVは「小さくて速く読みたいもの」
KVは、キーと値で保存するシンプルなストアです。
ブログの中心データを全部KVに入れるというより、次のような用途で考えると分かりやすいです。
- サイト設定
- キャッシュ
- 短いメタデータ
- 頻繁に読むが複雑な検索はいらない情報
記事本文やカテゴリ、タグのように検索や並び替えをしたいものはD1の方が考えやすいです。
一方で、「このキーに対してこの値を返す」だけでよいものはKVが向きます。
最初のブログ構築では、無理にKVまで使う必要はありません。D1とR2で十分なことも多いです。
Wranglerとbindingは、AIに作業させる時に大事
Cloudflareで作業していると、Wranglerとbindingという言葉も出てきます。
Wranglerは、Cloudflareの開発者向けCLIです。ローカルで開発したWorkerをCloudflareへデプロイしたり、D1やR2の設定を扱ったりします。
bindingは、WorkerからCloudflareのリソースを使うための接続設定です。
ブログでいえば、WorkerからD1を `DB` として使う、R2を `MEDIA` として使う、というような設定です。
ここはAIコーディングツールに任せる時にも重要です。
AIに「D1を使って」とだけ言うより、「wrangler設定にD1 bindingを追加し、Workerの `env.DB` から記事を読み書きする形にして」と言った方が、作業内容が具体的になります。
ブログにすると、こういう分担になる
Cloudflareで管理画面付きブログを作るなら、分担はだいたいこうなります。
- サイト表示: Pages または Workers
- 記事一覧: Workers + D1
- 記事詳細: Workers + D1
- 管理画面: Workers上のアプリ
- 記事保存: D1
- 画像保存: R2
- ドメイン: Cloudflare DNS / Registrar
- SSL: Cloudflare
- アクセス解析: Cloudflare Web Analytics または GA4
こう見ると、WordPressで1つの管理画面にまとまっていたものを、Cloudflareの部品で組み直しているように見えます。
ただし、Cloudflare構成の良さは、サーバー保守やプラグイン管理に寄せすぎず、コードとして扱いやすいことです。
AIコーディングツールに修正を頼む時も、テーマ設定やプラグイン設定の奥に隠れた状態より、コード、DB、ストレージの役割がはっきりしている方が説明しやすくなります。
Pagesだけでいいのか、Workersまで使うのか
ここは迷いやすいところです。
目安はこうです。
- Markdownを書いて静的に公開したいなら、Pagesだけでも候補
- 管理画面がいらないなら、Pages寄り
- 管理画面から記事を追加したいなら、Workers + D1 が候補
- 画像アップロードもしたいなら、R2も候補
- ログイン、下書き、公開状態を扱いたいなら、Workers + D1 が必要になりやすい
「ブログ」といっても、どこまで作るかで構成は変わります。
静的サイトならシンプルにできます。管理画面付きにするなら、アプリとして作る必要があります。
私が別記事で扱っているのは、後者です。
単にHTMLを置くだけではなく、Cloudflare Workers上にブログ/サイトを公開し、管理画面から記事を追加できる状態を目指します。
AIに説明するなら、このくらいでいい
Cloudflareの用語を全部覚えなくても、AIコーディングツールに作業を頼む時は、次のように説明できれば十分です。
- Cloudflare Workers上で動くブログを作りたい
- 記事データはD1に保存したい
- 画像はR2に保存したい
- 管理画面から記事を追加できるようにしたい
- wrangler設定でD1とR2のbindingを管理したい
- 独自ドメイン、Analytics、Search Consoleも後で設定できる形にしたい
これだけでも、AIが考えるべき範囲はかなり明確になります。
逆に、「Cloudflareでブログを作って」だけだと、Pagesだけの静的サイトなのか、Workersで動くアプリなのか、D1やR2を使うのかが曖昧になります。
覚えるべきことは、全部ではない
Cloudflareのドキュメントを読んでいると、できることが多くて逆に迷います。
でも、最初のブログで覚えるべきことは限られています。
- どこで画面を表示するか
- 記事データをどこに置くか
- 画像をどこに置くか
- どうデプロイするか
- 独自ドメインをどうつなぐか
最初からCloudflareの全サービスを理解する必要はありません。
Pages、Workers、D1、R2の役割が分かれば、ブログ構築の地図はかなり見えます。
まとめ
Cloudflareの用語は、ブログ目線で見るとこう整理できます。
- Pagesは、公開する場所
- Workersは、裏側の処理を動かす場所
- D1は、記事や設定を入れるデータベース
- R2は、画像やファイルを置くストレージ
- KVは、小さな設定やキャッシュ向きの保存場所
- Wranglerは、CloudflareへデプロイするCLI
- bindingは、WorkersからD1やR2を使うための接続設定
用語が分かると、Cloudflareでブログを作るイメージはかなり見えやすくなります。
ただし、実際にはここから先が本番です。
Workers、D1、R2、管理画面、デプロイ、独自ドメイン、アクセス解析までつなげる必要があります。
その実践手順は、次の記事にまとめています。
AI時代のブログ立ち上げ: WordPress/Next.jsで迷った人にCloudflareをすすめる理由と実践手順
この記事では、Cloudflareを選ぶ理由から、実際にブログ/サイトを公開し、管理画面から記事を追加できる状態にするところまで扱っています。
確認した公式情報
確認日: 2026-06-17