このブログは、運営作業のほとんどをAIエージェントがやっています。
記事の調査と下書き、CMSへの投入、アイキャッチ画像の生成、本番デプロイ、SEO設定の見直し、既存記事の修正。ここまでがAIの仕事です。私(人間)がやっているのは、企画を決める、実体験を提供する、最後に確認して公開判断をする。ほぼこの3つだけです。
結論から言うと:
- AIに任せられるブログ運営の範囲は、「文章の下書き」のイメージよりずっと広いです。データベース操作やデプロイ、SEOの技術設定まで含めて任せられます
- ただし丸投げではありません。実体験と事実確認とリスクの判断は人間に残ります。ここを手放すと、AIの速さがそのまま事故と信頼低下の速さになります
- 成立させる鍵は、ブログを「AIが操作できる形」で作ることと、作業のルールを文書化してAIに読ませることでした
この記事は、実際にこの体制でこのブログを運営している実録です。ツールの宣伝記事ではなく、何を任せて、何が残って、どこでつまずいたかをそのまま書きます。
このブログの構成: AIが操作できる形にする
前提として、このブログはWordPressのような管理画面中心の構成ではなく、コードとコマンドで操作できる構成にしています。
- サイト本体: Astroベースの軽量CMS(EmDash)を、Cloudflare Workers上で動かしています
- 記事データ: Cloudflareのデータベース(D1)とストレージ(R2)
- 記事の元原稿・企画メモ・運用ルール: すべてローカルのフォルダにテキストファイルで管理
この形にした理由は単純で、AIエージェントはコマンドとファイルの操作が得意だからです。管理画面をマウスでポチポチする作業はAIには回りくどく、逆にコマンド一発で済む作業なら安心して任せられます。人間に優しいUIと、AIに優しいインターフェースは別物です。
Cloudflareでブログを組む話は、別記事にまとめています。
→ Cloudflare Pages / Workers / D1 / R2 をブログ目線で整理する
AIに任せている作業の全リスト
現時点でAIエージェント(Claude CodeとCodexの併用)に任せているのは、この範囲です。
- 記事テーマの競合調査、公式サイトでの料金・仕様確認(確認日の記録つき)
- 記事構成案(ブリーフ)の作成
- 本文の下書き(過去記事を読ませて文体を合わせる)
- アイキャッチ画像の生成(画像生成AIへの指示もAIが書く)
- CMSデータベースへの記事投入、公開、本番デプロイ
- 公開後の表示確認(リンク切れ、カード表示、メタ情報)
- サイト名変更などの一括修正、固定ページの更新
- SEO・AI検索向けの技術設定(robots.txt、サイトマップ、構造化データ、RSS)
- 変更前データのバックアップと作業記録の保存
一方で、次の3つは意識的に人間に残しています。
- 企画の決定: 何を書くか、何を書かないか(メディアの方向性)
- 実体験の提供: 実際に使った感想、設定値、期間、写真。AIは実体験を持っていないので、ここは絶対に任せられません
- 最終確認と公開判断: 事実確認、料金の再チェック、公開のGo/NoGo
実例1: サイト名の変更を任せてみた
このブログは最近、サイト名を変更しました。人間の作業は「新しい名前の方向性を決めて、最終候補にOKを出す」だけです。
AIがやったのは次の作業です。
- 変更前に、現在の設定値をバックアップファイルとして保存
- サイト名が使われている場所の洗い出し。データベースの設定だけでなく、固定ページ(サイト概要・運営者情報・広告ポリシー)の本文、フッターの文言、記事署名(著者名)、コード内の予備値まで、合計5箇所以上が見つかりました
- それぞれの更新SQLとコード修正を作成し、本番へ適用
- 全ページを巡回して、旧名称が残っていないかを確認
手作業なら「どこかで旧名が残る」事故が起きやすい作業です。網羅的に探して、漏れなく直して、証拠を残す。この種の作業はAIのほうが人間より確実でした。
実例2: 記事1本の公開フロー
いまの標準フローで、記事1本にかかる人間の時間は合計1時間前後です。
- 企画(人間・15分): ロードマップから次の1本を選び、書きたい実体験や数値をメモで渡す
- 制作(AI): 調査、ブリーフ、本文下書き、アイキャッチ生成、投入準備まで一気に進む
- レビュー(人間・30〜60分): 下書きを読んで事実確認。実体験として書かれた部分が実態と合っているか、料金と確認日、「未検証」表記の漏れを重点的に見る。修正指示もAIへ
- 公開(AI): データベース投入、デプロイ、表示確認、検索エンジンへの通知まで自動
ポイントは、公開作業を1コマンドのスクリプトに固めたことです。原稿とメタ情報と画像を規約どおりに置けば、変換・アップロード・投入・確認まで一気に走ります。このスクリプト自体もAIが書きました。繰り返す作業は、AIにやらせるより先に、AIに仕組み化させるほうが効きます。
実例3: SEOとAI検索対応の総点検
「SEOとAI検索(ChatGPTやPerplexityに引用される)の観点で全部見直して」と依頼したときは、AIが次を一気にやりました。
- robots.txtの点検で、記事画像の配信パスがクロール拒否に巻き込まれていたバグを発見・修正(人間は誰も気づいていませんでした)
- AIクローラー(GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBotなど)が実際にアクセスできるかのテスト
- llms.txt(AI向けのサイト案内ファイル)の新設。記事一覧は公開のたびに自動更新
- 構造化データの強化(著者情報の追加、FAQ節からのFAQPage自動生成)
- RSSの全文配信化と、検索エンジンへの即時通知(IndexNow)の組み込み
技術SEOはチェック項目が多く、個人ブログでは後回しになりがちな領域です。ここを「全部見て、直して、記録して」と一括で任せられるのは、運営体制として大きな差になると感じています。
やってみて分かった注意点
うまくいった話だけだとフェアではないので、運用ルールとして固まった注意点を書きます。
実体験を創作させない。 AIは頼めば「使ってみた感想」らしき文章をいくらでも書けます。だからこそ、実際に使っていないものは本文で「未検証」と明記するルールを文書化し、AIにも毎回読ませています。実体験の部分は人間が素材を渡し、公開前に必ず読み合わせます。ここを崩すと、このブログの存在価値がなくなります。
「できました」を検証なしで信じない。 公開や修正のたびに、実際のページを取得して表示・リンク・メタ情報を確認するところまでをAIの作業に含めています。報告ではなく、検証結果を成果物にする。
変更前のバックアップと作業記録を必ず残させる。 データベースを直接触る運用なので、変更前の状態と適用したSQLを毎回ファイルで保存するルールにしています。実際、このおかげで「戻せる」安心感があり、任せる範囲を広げられました。
ルールはチャットではなくファイルに書く。 文体、広告表記、リンクの扱い、書かないテーマ。こうした編集ルールはすべてテキストファイルにして、AIが作業のたびに参照する形にしています。口頭(チャット)で毎回伝えるルールは、必ずいつか漏れます。
使っているAIエージェント
役割分担は「対話と判断が要る作業はClaude Code、仕様が固まった作業とアイキャッチ生成はCodex」です。この使い分け自体の話は別記事に書きました。
よくある質問
Q. プログラミングができないと真似できませんか?
この記事の構成(CMS+データベース+デプロイ)をそのまま真似るなら、多少の開発知識があるほうがスムーズです。ただ、「企画・実体験・確認は人間、作業はAI」という分担と、「ルールをファイル化してAIに読ませる」やり方は、noteやWordPressで書いている人にもそのまま応用できます。
Q. 記事は全部AIが書いているのですか?
下書きはAIが書きますが、実体験・数値・写真は人間が提供し、公開前に人間が事実確認をしています。実際に使っていないものを体験談として書かない、というルールはAIと人間の共通ルールです。
Q. 運営コストはどれくらいですか?
AIエージェントの契約が月数十ドル(Claude ProとChatGPTの有料プランで合計$40前後から)、Cloudflareは小規模ブログなら無料枠内で収まる構成です。時間コストは記事1本あたり人間1時間前後になりました。
Q. AIに任せて記事の質は落ちませんか?
「量産のために任せる」と落ちると思います。私の場合は逆で、調査・変換・確認みたいな作業をAIに寄せたぶん、人間の時間を実体験の提供と事実確認に集中させています。質を決めるのは、任せる範囲ではなく残す仕事の選び方でした。
まとめ
- ブログ運営でAIに任せられるのは、下書きだけでなく、投入・デプロイ・SEO設定・一括修正まで
- 人間に残す仕事は3つ。企画、実体験、最終確認
- 成立の鍵は、AIが操作できる構成(コード+コマンド)と、ルールのファイル化
- 実体験の創作をさせない・検証を省かない・記録を残す。この3つの規律が信頼を守る
「AIでブログを書く」は文章生成の話に矮小化されがちですが、実際に効くのは運営全体をAIと分担し直すことでした。この記事自体も、その体制で作られています。